■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■ ポンと村おこし 第168.5話「シロちゃんが白バイ隊員」 ■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 老人ホームでお手伝い。 一緒にシロちゃんもいるんですが「ウキウキ」してるのがわかります。 「ソワソワ」でもいいかな。 どうしたんでしょう? 「シロちゃん、どうしたの、落ち着かないみたいだけど」 「わかるでありますか」 「うん」 「実は、駐在さんから呼び出しであります」 「ふうん」 老人ホームでお手伝いなんですが、午後もおやつの時間でみんなまったりしています。 今日のレクリエーションが体を使う系だったから、みんな疲れているんですね。 おじいちゃん、おばあちゃん達、みんな言葉も少ないです。 お茶を飲んで、いつもより小さい声でお話して……うつらうつら船をこいでいる人もい るありさまですよ。 いつもはみんなに聞こえるようにテレビの音も大きくするんですが、今日は小さめなの。 わたしものんびりしたいんですが、シロちゃんが「ソワソワ」なのが気になっちゃって しょうがないです。 なにかしでかしそうな気がして、気がして。 シロちゃん、自分からしゃべってくれます。 「駐在さん、本官に渡したいモノがあるとの事であります」 「ふうん」 そうそう、音が小さいテレビなんですが、外国のドラマやってます。 白バイのドラマですね、●ョン&●ンチ。 わたし、ちょっと楽しみにしているテレビだから、音、大きくしてくれないかなぁ。 シロちゃん、お茶を配り終わると、わたしをつかまえて、 「駐在さん、いよいよ本官に銃を拳銃を、ピストルをくれるであります」 「まさか」 「本官も警官であります、銃は必携であります」 ミニスカポリスがなに言ってるんでしょ。 絶対銃じゃないんだからモウ。 「ではでは本官、行ってくるであります」 「まて、わたしも行く」 「いいでありますよ」 不安です、もしホントに銃なんか渡したら、村は血まみれになっちゃうかもしれません。 これは見届けないといけませんよ。 「あれ、ポンちゃんも一緒」 駐在さんニコニコ顔でお出迎えです。 シロちゃん、頬染めで、 「駐在さん、来たであります」 「おお、そうそう、シロに渡したいモノがあったからね」 「早く欲しいであります」 「……」 駐在さん、途端にジト目でシロちゃんを見て、 「何か勘違いしていないかね?」 「本官は受け取りに来ただけであります」 「銃はやらんよ」 駐在さんの言葉を聞いた途端、シロちゃんから魂が抜けちゃいました。 力が抜けちゃったみたいに腑抜けになってるの。 ちょっと面白いかも。 駐在さん、呆れ顔で、 「シロは本当に、銃じゅうと、そればっかりですね」 「本官は警官でありますから、銃は必携であります」 「ミニスカポリスは警官ではない」 「警官であります」 「まだ言うか!」 駐在さん、一度出て行くと……バイクを押して戻ってきました! 「これをシロに渡したいわけです」 「「!!」」 わたしもシロちゃんもびっくり。 大きなバイクです。 ちょうどさっき見ていた●ョン&●ンチみたいなバイクですよ。 「駐在さん、これは?」 「ああ、若い頃に買ってたんだけど、乗る機会がなくてね」 わたし「ちょっといいかも」なんて思いますが、わたしはバイクなんか乗れません。 シロちゃんを見ると、銃じゃないからか、つまらなさそう。 駐在さん、バイクにまたがってエンジンをかけます。 「ブオン」ってすごい音がして、エンジンかかりました。 むう、音、すごいの。 現場のダンプみたいに大きな音ですよ。 「駐在さん、すごい音ですね」 「まぁ、だね」 「この間のヤンキー兄さんのバイクにも負けていません」 駐在さん、バイクを降りるとわたしの耳元で、 『そこがミソなんですよ』 『!』 駐在さんがシロちゃんを見るの、わたしも見てみると…… シロちゃん、さっき「つまらなさそう」にしていた顔が別人みたい。 頬を染めて、うっとりした顔でバイクを見てます。 『シロちゃんが反応してますよっ!』 『でしょう、でしょう、この間からスピード違反の時にちょっと様子が変でしたから』 『それでバイクなんですか』 『銃ほどじゃないでしょうけど、これでバイクにはまってくれたら……』 『ちょっとはマシって事ですね』 『でしょう、銃よりはいいでしょう』 『ですね』 駐在さん、シロちゃんにバイクのハンドルを交代しながら、 「シロの為に準備しました、ちょっとでもいいから、乗ってくれませんか」 「本官は銃の方がよかったでありますが」 「いいから、いいから」 駐在さん、シロちゃんにハンドルを持たせると、もう乗せちゃってます。 シロちゃん……ミニスカポリスでバイクにまたがったら、パンツ丸見えですよ。 いやいや、パンツよりも、脚が、脚がまぶしいです。 駐在さん、シロちゃんにヘルメットもかぶせちゃうの。 「ほら、ちょっと走ってくる」 駐在さんの言葉に、シロちゃんも、 「しょうがないでありますね、本官、ちょっと走ってみるでありますよ」 「うんうん」 「駐在さんが勧めるから乗るであります、本官が乗りたいわけではないであります」 強がっていますが、目がランランとしてますよ。 きっとヘルメットの下は獣耳になってるはずです。 シロちゃんアクセル開けます。 「ブオンッ!」爆音するの。 って、いきなりウイリーしてダッシュしちゃうの。 「「え!」」 わたしも駐在さんも冷や汗。 「あーーー!」 シロちゃんの叫び声。 とりあえず、曲がりました、視界から消えました。 そして、爆音消えちゃうの。 わたし、駐在さんに、 「音、しなくなりましたよ」 「ですね、どこかにぶつけた感じでもないですね」 「行きましょう」 わたし、駐在さんと一緒に角を曲がるの。 「あ〜」 シロちゃん、田んぼに突っ込んで止まってます。埋まってます。 シロちゃんには銃もバイクもダメですね。危険だから。 pmht168p for web(pmht168p.txt/htm/jpg)(pma) NCP3(2018) (80L) (C)2008,2019 KAS/SHK (C)2019 ハリー@ターボ (pixiv:id=3129404)