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■  ポンと村おこし  オマケ「コンちゃん級」                ■
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「わらわはちょっと散歩に行って来る」
 コンちゃんそう言って行っちゃいました。
「ポンちゃん、私、配達に行って来るから」
 ミコちゃんも出かけました。
「俺、村長さんに呼ばれてるから」
 店長さんも出かけました。
 お店にはわたし一人。
 外からは小鳥のさえずりが聞こえてきたりしますよ。
 暇なので、お店を見て回ります。
 そう、売れ筋はメロンパンなの。
 実は焼きたてが断然美味しいんだけど、時間を置いたのもなかなかなんです。
 そうそう、お店のパンは「普通」「大」の二種類。
 店長さんがわたしのために、見ただけで値段がわかるようにしてるんだって。
 普通は百円で大は二百円。
 そう、あと、微妙なのがどら焼き。
 老人ホーム用で小さいのが登場しました。
 お店に並んでいるのは店長さんお手製。
「む〜」
 本当はダメなんだけど、どら焼き二個を手に取ります。
 すぐにメロンパンに戻って、「大」を二個を持ちます。
 大きさチェック。
「ぬ〜」
 この、大きなメロンパンはコンちゃんの大きさなんです。
「むむむ……」
 本当はダメなんだけど、わたし、メロンパンを服の中に入れてみました。
 こう、腕で支えて落ちないようにします。
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「鏡! 鏡!」
 お店にある鏡の前までダッシュ。
「気が変わって帰ってきた」
 コンちゃんが帰ってきて、固まりました。
「忘れ物して……」
 ミコちゃんが帰ってきて、固まりました。
「電気消してたっけ……」
 店長さんが帰ってきて、固まりました。
 三人の視線が痛い。
 ミコちゃんがツカツカやってきてまず一声。
「食べ物でなんて事するのっ!」
「ごめーん!」
 ミコちゃんわたしを羽交い絞め。
「このばちあたりめっ!」
 コンちゃんわたしの胸からメロンパン確保。
 店長さんはその瞬間、あさっての方向を向いててくれました。
 でも、確保されたメロンパンを見て、
「ポンちゃん、売り物で遊んだらだめだよ」
「だ、だって、そのメロンパンはコンちゃんの胸の大きさ」
「だからって、そんな事するかなぁ〜」
 店長さん達、メロンパンを見て苦笑い。
 コンちゃんが、
「どうする、店長、ポンはクビか?」
 ミコちゃんが、
「これ、売るわけにはいきませんね」
 店長さん、しかたなさそうにメロンパンを食べ始めました。
 残った一個はコンちゃんミコちゃんで半分こ。
 三人が口をモグモグしていましたが、一緒になって頷きます。
「な、なんですかっ!」
「ポンちゃん味だ!」
「うむ、たしかにポンの味じゃ」
「本当、ポンちゃんの味ね」
「も、モウ、食べちゃだめーっ!」
 みんな笑ってます。
 わたし、すごく恥ずかしいんだからモウっ!


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