■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■  ポンと村おこし  オマケ「あとはミコちゃんだけなんです」        ■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 じゃんけんポン!
 わたしとコンちゃんグー。
 ミコちゃんチョキ。
「あら、負けちゃった」
 今日の皿洗いはミコちゃんです。

 わたしとコンちゃんはお先にお風呂。
 一緒に湯船に浸かりながら、
「わたし、思うんだけど……」
「なんじゃ、ポン」
「こう、たまおちゃんに勝ちました……正当防衛」
「うむ」
「コンちゃんには二勝、神楽の時とこの間」
「なぬっ!」
「違うんですか?」
「むー、まぁ、そーゆー事にしておいてやるかの」
「今まで強敵だったシロちゃんにも勝ちました」
「うむ、あの勝利はなかなかのものじゃった」
「手が滑っただけなんだけどね」
「で、それがどうしたのじゃ?」
「うん……これでミコちゃんをやっつけたら、わたし、名実ともにナンバーワン」
「はぁ!」
「だって、やっつけてないのはミコちゃんくらいです」
「おぬし、そんな事を考えておったのか!」
「だってみんな、わたしの事全然尊敬してないみたいなんだもん!」
「尊敬って……」
「わたし、先輩なんだよ、先輩!」
「先輩……と、言われてものう……」
「コンちゃんも本当なら『ポン先輩』とか言うところですよ」
 って、コンちゃん髪がうねってます。
 でも、そんなコンちゃんの怒りもすぐに収まったよ。
 なんでかな?
「ふむ……それで残すところはミコのみと言う事じゃな」
「そうですそうです」
「やってみるがよい、わらわを封じた程のヤツじゃ、ポンが倒せるとは思えんが……」
「コンちゃんわかってません」
「?」
「ミコちゃんの『ゴットなんとか』は、コンちゃんには効いても、わたしや店長さんはす
り抜けちゃうんです」
「!!」
「だから、勝算ばっちりなんですよ」
「むー」
「ミコちゃん、見た感じ、接近戦はコンちゃんより弱そうだし」
「ぬー」
「それに、この間ミコちゃん『子供が欲しい』とか言ってました、ある意味一番の脅威で
すよ」
「ふむ〜」
「ね!」
 コンちゃん、考えてますよ。
 いや、あれはわたしがミコちゃんをやっつけるのが、きっと悔しくて、黙っているだけ
ですね。
 ふふふ……
 なんたってミコちゃんの攻撃系の術はわたしには当らないんです。
 きっとわたし、楽勝ですよ。
「それに、わたしには伝説の打ち出の小槌があるもん」
「しかしのう……まぁ、ケンカを売るのはおぬしの勝手じゃが……」
「これで天下統一なんです」
 と、いきなり引き戸が開いて、ミコちゃん登場。
illustration bonoramo
 コンちゃんと話すのに一生懸命で脱衣所の音とか聞こえませんでした。
「話は聞きました」
 うわ、先制攻撃とか奇襲作戦はダメみたいです。
 でも、そんなのなくても、わたしぜったい勝てるもん。
 ミコちゃんの術はわたしに効かないからね。
「ポンちゃん、明日からごはんナシね」
「!!」
 わたし、がっくり膝を着いちゃいました。
 ひょ、兵糧攻めとはっ!


pmb030p for web(pmb030p.htm)
NCP5(2009)
illustration bonoramo(Plastic Designer)
(C)2008,2009 KAS/SHK
(C)2009 bonoramo